離婚と不動産 (separate propertyとcommunity property)
離婚予定の女性から質問がありました。
離婚専門の弁護士に相談したところ、結婚前に自分1人で築いた財産は、離婚の際、配偶者に分ける必要がなく、その後も100%自分1人だけの物としてキープできると言われたそうです。
(これを不動産用語で、separate property :特有財産、別有財産 と呼びます。)
彼女は、独身時代に購入した彼女の家に、旦那が勝手に転がり込んで来て、結婚した、と言います。
しかし、事情はどうであれ、この場合、家は、既にseparate propertyではありません。
つまり、結婚以前に、いくら自分1人で購入したものであっても、旦那さんと何年も一緒に、その家で生活したのなら、これは既に*community property :(夫婦の)共有財産 と言って、半分は旦那さんの物なのです。
私が、ここまで話をすると、彼女は「じゃ、家を売却して、お金にする。」と言い出しました。
しかし、私が「法律上、家を売って儲けたお金も、半分は旦那に渡さないといけないから、結局は同じ事だ。」と、説明すると、「じゃ、もう少し考える。」と言って帰って行きました。
彼女の場合は、家のローンが還付しているので、離婚する時に、いかに自分の財産を配偶者に取られない様にするかを考えているわけですが、この逆もあります。
つまり、まだローンの返済が終わっていない家は、一般的に巨額な借金が家に付いていますので、誰も欲しくありません。
このホームページの「離婚と不動産」にも書きましたが、離婚の時は、むしろ負の財産に目を向けた方が、これからの生活をどうするのか、対策を立てやすいと思います。
*community property :夫婦共有財産 :共同で夫婦が所有している資産と収入
**community property states :夫婦共同財産制を認めている州
夫婦共有財産制を認めている州は、カリフォルニア州、アリゾナ州、アイダホ州、ルイジアナ州、ネバダ州、ニューメキシコ州、ワシントン州、そしてテキサス州です。
これらの州では、贈与(gift)遺贈(devise)、相続(inheritance)を除き、婚姻中に取得された財産は、その名義にかかわらず、夫婦双方に属するものと見なされます。
私もシングルマザーですが、1人になってからの方が、精神的にも、経済的にも、ずっと豊かです。
離婚後の生活は、離婚する前に想定して、今より良くならないと判断したなら、今は大変でも、離婚は避けた方が賢明です。
私には賃貸収入がありますので、お金には困りませんでした。
経済力があると、生きる選択肢の幅も広がります。
暗いトンネルを早く抜け出して、自分の夢を叶えて下さい。
応援しています。